「渡辺の乱」が呼び水になったのか。
13日の衆院本会議で、「造反なし」とみられた自民党から松浪健太議員(37)が08年度第2次補正予算案の採決直前に退席した。
定額給付金への反発が理由。これに先立ち、渡辺喜美衆院議員(56)は自民党を離党。「首相指名選挙で1票投じた政治責任を取る」と、反麻生モードで攻撃を始めた。渡辺氏の離党にとどまらなかった“連続造反”。麻生自民党のイメージ低下は避けられない。
松浪氏は、08年度第2次補正予算案の採決が行われる直前、席を立ち本会議場の外に出た。「強行採決」と反発した民主、社民、国民新の野党3党が退席しており、松浪氏の造反に与党席はどよめいた。
議場を出たところで、報道陣に囲まれた松浪氏は「苦渋の選択」と述べた。「定額給付金から民意が離れている以上、医療や雇用問題に使うべきだという国民の声をもっと理解してほしい」と、定額給付金への反発であることを明かした。「自公政権を思ってのこと。若手が立ち上がるしかない。私の一存による行動だ」と述べた。
採決では、自民党を離党した渡辺喜美氏も同じく退席。ただ松浪氏は渡辺氏との連携は否定し「私は離党はしない。同じように見られるのは本意ではない」と、強調した。
当選2回で内閣府政務官を務めていた松浪氏はこの後、官邸に向かい「決して麻生内閣、自公連立政権に仇(あだ)なすものではありません」などと記した辞表を河村建夫官房長官に提出し、受理された。
予算案は与党などの賛成多数で可決され、参院に送付されたが、離党した渡辺氏以外の造反はないと踏んでいた自民党執行部にとっては、想定外の出来事。細田博之幹事長は、近く党紀委員会を開き松浪氏の処分を検討する考えを示したが、渡辺氏離党のダメージを最小限に抑えたかった執行部には大きな痛手となった。麻生内閣の政策に党内の不満がくすぶっている現実や、麻生氏の求心力低下がはっきり表れた。今後も続く衆院採決での造反にも、不安を残した。
ニッカンスポーツ [2009年1月14日7時3分 紙面から]