生徒情報拡散 「なす術なし」
ネット社会の欠陥露呈
2006年度に県立高校に在籍した延べ約2000人分の個人情報がインターネット上に流出した問題で、ファイル交換ソフト「シェア」利用者なら誰でも、情報を自分のパソコンに取り込むことができる状態が続いている。
県教委は14日、県警と対応を協議したものの「犯罪でなければ捜査できない」として問題解決への進展はみられなかった。
一度、個人情報が流出すると簡単には取り消すことができないネット社会の欠陥が露呈している。(河野越男、内田善太)
◆公開した人物
「(ファイル交換ソフトの)ウィニー、シェアを介して、県庁の内部情報が流出しております」
9月12日、匿名のファクスが県庁に届いた。パソコンで、記されていたアドレスに接続すると、県立高校の授業料を口座振替するシステム開発資料の一部が現れた。
システムを開発した日本IBMなどは、ウィニーで情報を入手した人物が、シェア利用者に公開したとみている。
情報は、IBMと契約していたシステム開発会社「SAI」(東京都文京区)の男性社員が使っていたパソコンからウイルス感染によって流出した。06年度に県立高校152校に在籍した全生徒約11万人の個人情報を含む全11巻にも及ぶファイルだ。
今回、公開が判明したのは、そのうち、第8巻にあった約2000人分の口座情報など。約11万人の氏名や住所、電話番号、口座情報が分かる第7巻は「膨大な量で全部を取り込めない」(IBM)という。
ただ、第7巻のタイトルはシェアで公開されており、さらに別の個人情報が公開される恐れもある。
◆接続業者が不明
IBMの出沢研太・常務執行役員は13日、県庁で記者会見し、「技術的に削除できない。現時点で私どもには術(すべ)がない」と苦渋の表情を浮かべた。
ファイル交換ソフトで、パソコンのネットワークに公開された情報を削除するには、公開した人物の接続業者を特定する必要がある。「プロバイダー(接続業者)責任制限法によって、情報を公開した人物の情報開示を依頼できる」(総務省消費者行政課)。
だが、接続業者が開示したとしても、本人が削除する義務はない。しかも、IBMは、接続業者を割り出すこともできていない。
◆問い合わせ殺到
「うちの子の情報は流出しているのか」「犯罪に巻き込まれるのか」
県教委の相談窓口には、保護者らから電話による問い合わせが殺到。14日から受付時間を午後5時から同8時までに延長した。
相談件数は同日だけで181件に上り、土曜、日曜日も相談に応じることにした。
相談窓口の電話番号は045・210・8113。
((((;゚д゚)))) 時間は元に戻せない